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【Web制作のトラブル】対策10個を提示【損害賠償・報酬未払い】

悩んでいる人

Web制作を行う上でどんなトラブルがあるのかな…?

悩んでいる人

損害賠償とか報酬未払いなどの問題を聞くけど、どう対策したらいいんだろう…?

ネット上やTwitterで、Web制作に関するトラブルを目にして、不安な気持ちになる方も少なくないと思います。

トラブルが起きると、数十万円単位の問題になる可能性があるため、避けたいものです…。

僕はトラブルに頭を悩ませたくないので、事前に徹底的に調べて、徹底的な対策を続けています。

この記事の結論を先にお伝えすると、下の通りです。

この記事の結論
  • 怖いトラブルの多くは「修正地獄」「報酬未払い」「損害賠償」
  • トラブルの原因の多くは「契約」「証拠」「責任」にある
  • トラブルを防ぐためには10個の具体的な対策がある

【本記事をご覧いただく上での注意】

この記事で紹介する方法はあくまで僕が行っている方法です。僕は法律のプロではなく、一人のWeb制作者です。そのため、この方法で問題が起きない保証はできません。

そのため、本記事を元にした行動によって不利益を被った場合でも、僕が責任を負うことはできません。あくまで1つの情報源としてご活用いただけますと幸いです。

Web制作業務で怖いトラブル3つ

まずWeb制作業務で多いトラブルについてお伝えします。

トラブル①:大幅修正・無限修正

トラブルの1つ目が修正に関するトラブルです。修正関係のトラブルは大きく分けて2つあります。

修正トラブル①:大幅修正

大幅修正とは、ある程度制作が進んだ時点で、その時点までの制作物がひっくり返されるような修正のことです。

HPのデザインが途中まで進んでいたのに、「社長の意向が変わった。もっと温かい感じのHPにして欲しい」など、デザインに抜本的変更が求められるなどですね。

料金が支払われつつ、納期の延長が認められればある程度問題ないのでしょう。しかし、報酬額は変わらず、納期は切羽詰まっていく、といった事態になるケースがあるので、要注意です。

修正トラブル②:無限修正

無限修正とは、合意を取れていたにもかかわらず、修正依頼を何度も繰り返されることです。

細部のデザインにありがちな修正地獄です。

トラブル②:料金未払い

成果物を納品したにもかかわらず、料金が支払われないトラブルです。

せっかく働いたのに、お金が手に入らないパターンです。

トラブル③:損害賠償

納期に間に合わなかったり、実装できなかったりした場合に、損害賠償金を請求されるトラブルです。

報酬がプラスどころか、マイナスになってしまうパターンです。

Web制作業務でトラブルが起きる3つの根本原因

Web制作業務で起きるトラブルは大きく分けると下の3つに集約できると僕は考えています。

原因①:【契約】リスクヘッジできていないから

1つ目が「リスクヘッジができていないから」です。

どんな行動にも、ベネフィットとリスクはあります。リスクを考えずに、ベネフィットだけを追い求めると、必ずどこかでリスクを被ることになります。

Web制作の場合におけるリスクヘッジで重要なのが、契約です。契約を正しく交わさないと、地雷原を歩くような業務になってしまいます。

原因②:【証拠】証拠を残さないから

2つ目が「証拠を残さないから」です。

契約で取り決めをしても、事実が証明できなくては、契約は意味を持ちません。

原因③:【責任】“できない”と言えないから

3つ目が「“できない”と言えないから」です。

リスクヘッジしたり、証拠を残したりしても、受け取った業務を完遂できなかったら、トラブルになります。

できないことは、“できない”というにしましょう

※「今はできなくても、ひとまず“YES”といってしまいましょう」というアドバイスがありますが、鵜呑みにするのはNGです。対策で詳しくお伝えします。

【具体的】Web制作トラブルへの9つの対策

上で紹介した根本原因を潰すためにできる対策を9つ紹介します。具体的にお伝えします。

対策①:【契約】契約書を用意して取り交わす

絶対に契約書を取り交わそう

まず契約書を取り交わすことです。

効果は色々ありますが、個人で仕事する人の場合にはメリットは下の2つでしょう。

契約書を取り交わすメリット
  1. 義務が明確になり、両者の自発的な行動を促すことに繋がる
  2. 訴訟になった際、相手に履行の義務を強制しやすくなる

【参考】契約書はなぜ必要か? ≪ビジネスにおける契約書作成のメリット≫

契約書は取り交わしておきましょう。

契約書はどのように用意する?

結論、契約書はクライアント様に用意してもらうのがよいです。クライアント様が会社ならば、弁護士と提携している会社は少なくありません。

あなたご自身で用意すると法律的に抜け漏れのある契約書があるので、避けるのが無難です。プロに作成してもらいましょう。

もし、ご自身で用意せざるを得ない場合には、「Web制作 契約書 テンプレ」などで検索して、契約書を用意するとよいです。もちろん、内容はご自身の案件に適する形のものを選択し、適宜加筆修正しましょう。

きちんと修正する

クライアント様からいただいた契約書の中身に不都合がある場合(相手が一方的に有利など)には、絶対に修正の希望を伝えましょう

僕もパートナー提携した3つの契約のうち、2つは契約内容を修正していただきました。

もし、修正してくれない場合には、その取引自体を考え直した方がよいでしょう。

対策②:【契約】著作権移行時期を決める

著作権移行時期を決めて、契約書に記載しましょう。制作物だけを持って逃げられることを防ぐためです。

僕は著作権移行時期を「報酬全額を振り込みいただいた時点」にしています。

対策③:【契約】大幅修正やキャンセルの費用を取り決める

大幅修正や途中キャンセルなど、着手した部分が無駄になってしまう事態に備えましょう。着手分の費用を設定するのがよいと考えています。

着手した割合料金
0%〜10%0%
11%〜50%50%
51%〜75%75%
76%〜100%100%

着手した割合と料金の関係性は、クライアント様と合意できれば、なんでもOKでしょう。

○%と定める場合には、○%の基準をクライアント様にお伝えすると、さらにトラブルの可能性は低くなるでしょう。

対策④:【契約】損害賠償金額の上限を決める

損害賠償金額の上限を設定しましょう

初めに断っておくと、損害賠償金のリスクを0にすることはできません。Web制作業務の多くは「業務委託契約」なので、制作物に責任を負っています。そのため、その制作物に不備があれば、お詫びするのが当然となります。

上限を設定する理由は、不当な請求を防ぐためです。

業者によっては、損害賠償金として、案件の発注額以上の金額を請求する業者もあります。僕は出会ったことはありませんが、ネットではそういった情報を多数見かけました。

悪意がなくても「本来、SEOで上がっていたはずなので、その分の損失を返して欲しい」などと言われた場合、請求がいくらになるかわかりません。SEOとは不確実なものだからです。

不確実性が絡んでくると金額はいくらでも膨れ上がってしまうため、僕は「損害賠償金額の上限を設定した方がよい」と考えています。

ちなみに僕は、損害賠償金額の上限は「その案件の受注額」としています。

対策⑤:【契約】検修期間を決める

検修期間を決めましょう。検修期間とは、納品と修正を行う期間のことをいいます。

検修期間を決めないと、いつまでも追加修正を行わなくてはいけなくなってしまう可能性があるからです。無限修正ですね…。

僕は納品後、2週間とさせていただいています。

対策⑥:【証拠】必ず事前に見積書をメールで提出する

報酬額の同意証拠として、必ず、案件着手前に《見積書》を《メール》で提出しましょう。

見積書&メールのセットで、報酬額同意の証拠となります。見積書で詳細に同意したことを証明できますし、メールならば証拠隠滅ができません。

もし、見積書の作成方法がわからない場合には、下の記事をご覧になることをおすすめします。

https://kaki-lab.org/howto-quotation/

対策⑦:【証拠】重要なことは記録に残す【スクショなど】

重要なことは必ず記録に残しましょう。

重要なことの例
  • 追加案件
  • 大幅修正依頼
  • 契約内容の一部変更

なぜ記録に残すことを念押ししたかというと、案件中では意思決定の証拠が記録に残らないことがあるからです。

最たる例が、《チャットツール》と《電話》です。

チャットツールは後から修正できてしまう可能性があります。そのため、チャットツールで重要な連絡がクライアント様からいただいた場合には、スクショなどをしておきましょう。

また、電話の場合は、電話の内容を文章化し、内容に齟齬がないかをメールで確認を取ります。ちなみに、この《文章化→メール確認》は、ヒアリング時も行うことをおすすめしています。

対策⑧:【責任】《できるかわからないこと》は持ち帰る

《できるかわからないこと》は一度持ち帰りましょう。特にメンターがいない人は絶対に持ち帰った方がよいです。

「できるかわからなくてもOKと言え。そして勉強してどうにかしろ」というアドバイスをよく見かけますよね。

たしかに、9割くらいは勉強すればどうにかなります。でも残りの1割が問題だと僕は考えています。この1割が原因でトラブルになる可能性があるからです。

まずは持ち帰ることを徹底してください。

そして、メンターがいるならば、受けてもよいかをメンターに聞いて判断すればよいでしょう。もし自分が実装方法をわからなくてもメンターが教えてくれるからです。

メンターがいない場合には、事前に実装できそうか徹底的に調査し、いけると判断できたものだけを受けるようにしましょう

対策⑨:【責任】できないことはできないという【最重要】

《できないこと》を依頼された場合には、はっきりと「できない」と伝えましょう。初めから「できない」と伝えて、怒られることやトラブルになることはまずないです。

むしろ、《できないこと》を「できない」と伝えられる誠実性が伝わる可能性さえあります。《できること》を頼まれた時に、お役に立てばいいんです。

ちなみに、《できないこと》には、①技術的に不可能・②納期的に不可能のふたつがあります。

《①技術的な不可能》の場合はわかりやすいので、断れるでしょう。しかし、《②納期的な不可能》の方が判断し辛いため、請け負ってトラブルになる可能性があります。

僕は《②納期的な不可能》の基準ついては下のように考えています。

慣れるまでの駆け出し期間は、納期の6割程度の期間までに初稿を出せる見込みがない場合には、請け負わない方がよい。

慣れてきたら、自分の肌感覚を信じていってもよい。(過信にはいつまでも注意)

駆け出しの頃は、制作物への修正依頼が比較的多めになったり、また、思わぬエラーに躓いたりすることが多いからです。

対策⑩:最後の砦は弁護士・法テラス

もし、トラブルが起きてしまった場合、弁護士や法テラスに相談しましょう。法テラスを用いれば、無料相談できるケースもあるそうです。

ご興味あれば、下のボタンよりご覧ください。

まとめ

この記事では下の3点についてお伝えしました。

  1. Web制作で起きるトラブル
  2. トラブルの根本原因
  3. トラブルへの10の対策

記事の冒頭でもお伝えしましたが、あくまで僕自身が行っている対策になります。

僕は法律のプロではないので、間違った解釈やよりよい方法に気づけていない可能性もあります。そのため、本記事の内容で不利益を被ったとしても責任はおいかねます。

しかし、精一杯リサーチした結果が、この記事の情報でもあります。一つの参考材料となりましたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。